2011年10月15日

水羅姫の虹    アタゴオルより その①

 私の愛読書の一つに、漫画家にしむらひろしの描く「アタゴオル物語」があります。


 アタゴオルと呼ばれる不思議な世界では、
 猫は人間のように言葉を話せるし、立って歩くこともできるのです。
 そこは、ミラクルな夢にあふれた猫の世界なのです。
 物語は、天衣無縫なデブ猫のヒデヨシと、
 親友の心優しい人間の若者、テンプラを中心に繰り広げられます。

 この本の中に、虹の出てくるシーンが二つあります。
 一つは、『冬のサーカス団』。
 ある時、謎のサーカス団が失われた黒髪王の秘宝を求めて、
 突如冬のアタゴオルに現れます。
 ドドドドと打ち鳴らされる太鼓の音とともに響く大音声、
   
   

   『群青色のテントひっさげて 
                 ふぶきの夜を 
                    森から森へと移動する 
                         くらやみの一群!!
                             葉魔サーカス団!!』
                        


 いよいよサーカスの始まりです。
 はじめに登場するのが、緑死海からやって来た
 長い黒髪の人魚の乙女、水羅姫(みらひめ)。
 水羅姫は透明な水槽から半身を出し、大勢の観客の見つめる中、
 ガラスの器に満たされたドロ水を、残らず飲み干します。
 と、次の瞬間、何と口から美しく光り輝く虹を吹き出すのです!
 黒ベタの影絵風に描かれる、なんとも印象的なシーンです。

 

 このシーンを見た時、昔試したことのある、ある瞑想法を思い出しました。
 それは、まず吸う息とともに、ネガティブな思い
 (憎しみや苦しみ、、悲しみなど)を、思い切り吸い込みます。
 そして、息を吐くときは、愛だけを吐き出すのです。

 これにトライした時、そんな悪いものばかり吸い込んだら、体の中が真っ黒になって、
 ポジティブなものなんて吐き出せるわけないじゃん、と正直思いました。
 でも、実際にやってみたら、意外と簡単にできちゃったのです。
 しかも、体の中にネガティブなものが残るどころか、 内も外もすべてが愛に包まれ、
 清らかな風が体の中を吹き抜けていくのです。 
 これには驚かされました。

 憎しみを愛に変える錬金術・・・・。
 興味のある方はどうぞお試しあれ。


★「アタゴオル物語2」  ますむらひろし 朝日ソノラマ



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Posted by tamisan at 14:31│Comments(0)BOOK
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